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概要

イタリアは京都会議をきっかけにバイオマスの利用促進の具体的な数値目標を設定した。エネルギー資源の8割以上を海外からの輸入に頼っているイタリアは、その状況を改善するためにもバイオマスエネルギー(以下バイオエネルギー)への関心が高まった。

イタリアの目標は、バイオエネルギーを2010年までに現在の5Mtoe(石油換算メガトン)/年から10Mtoe/年に増やすこと。それによって、バイオエネルギーが再生可能なエネルギーに占める割合は49%に(現在は30%強)、総エネルギー消費量に占める割合は5%になる。

2003年のエネルギー総消費量は約191Mtoeで、再生可能エネルギーが占める割合は約9%であった。この9%のうち、バイオエネルギーの割合は30%を越えている(5Mtoe、2003年)。バイオエネルギーの内訳としては、木質系バイオマスによる熱供給が大半を占めており、バイオガスの利用は近隣諸国に比べると低い。

BDF(バイオディーゼル=軽油代替燃料)の生産が盛んで、生産量はドイツ、フランスに次いでEU3番目。ドイツが車の燃料としてBDFを使っているのに対し、イタリアのBDFは主に暖房用燃料として利用されている。

温暖化効果の高いメタンガスが大気中に放出するのを防ぐためにも、バイオガスの利用に対する関心が高まっている。資源としての賦存量も多く、今後伸びることが予測されているが、国としての支援制度は今のところない。

全体としてイタリアにおけるバイオマス利用は順調に増えつつあるが、バイオマスの賦存量や潜在可能量については算出方法が統一しておらず、注意が必要。地域ごとによって分布や種類が違うバイオマスの取り扱いに対するとまどいがあるようだ。ITABIA(Italian Biomass Asociation:イタリア・バイオマス協会)ENEA(Ente per le Nuove tecnologie, l’Energia e l’Ambiente:国立新技術・エネルギー・環境研究所)が発行しているレポートをもとに、ようやくデータベース化も進みはじめたところだ。

ところが国の行政機関に「イタリアにおけるバイオマス利用の現状は誰(どこ)が把握していますか」と訊ねると、首をかしげて「我々も知りたい」という返事。それでもバイオマスの利用は確実に増えているのだから、いったいどういう仕組みで増えたのかを調べた。