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会議内容

基調講演では、日中両国政府の役人が世界環境保護とアジア及び日中両国の実情という観点から、エネルギー、資源と環境保護の三つの方面におけるバイオマスの重要な役割を強調した。

国家環境保護総局、農業部、科学技術部、中国農業大学と中国環境科学研究院および地方(遼寧、北京)の各研究機関のデータを総合して、おおまかに中国のバイオマスの年生産量と有機廃棄物が環境に与えるプレッシャーを推定することが出来た。

専門家、学者の報告はバイオマス利用への社会的ニーズと、このニーズから生じた活発な研究活動及び産業推進を反映したものであった。

倪維斗院士の基調講演「循環経済におけるバイオマス利用の新しい思考パターン」では、バイオマスの利用、特にバイオマスの開発に関して根本的に新しい思考パターンを提示してくれた。つまり、循環経済、生態社会、人と自然の調和などの原則をもとに、「自然に沿う」形でバイオマスの利用を展開する。大量だが、低密度に分散したバイオマスを発生現場で加工し、利用する。これらを根拠に、倪院士はバイオマス成型燃料に対し、高い評価を与えた。

横山伸也教授の「日本におけるバイオマス利用の現状」では、日本のエネルギー、特にバイオマスの現状について紹介し、アジアにおけるバイオマス利用の戦略を提案した。

フォーラムでは36名の政府関係者、学者と産業界の代表が発表を行った。内容はバイオマス発展戦略、バイオガス、バイオマス液体燃料、バイオマス固形成型燃料、環境保護(嫌気処理)及びエネルギーの回収利用、バイオマス発電、バイオマスの総合利用など多領域が含まれていた。報告では、主にエネルギー問題に関心が集まった。中国における2004年度の石油消費総量は約3.1億トンで、そのうち1.2億トンが輸入であり、石油の外国依存度は38.7%に達した。国際エネルギー庁は中国の2010年と2020年の石油外国依存度がそれぞれ61.0%と76.9%に達すると予測した。こういう背景では、バイオマスが注目されるのも当たり前のこととなるであろう。

日中の専門家は問題を見る角度が異なり、国家環境も違うが、似たようなバイオマス発展戦略を提案した。清華大学王革華教授は「中国バイオ液体燃料の発展と提言」で中国のバイオ液体燃料に関して「国家の前期投入をもとに、企業と科学研究機構を主力とする」という技術発展戦略、「政策支援をもって市場メカニズムを基礎とする」という産業発展戦略、「糧食耕地をできるだけ少なく、または使わず、森林、空き地を利用する」という土地利用戦略を提案した。中国の発展のために「エネルギー問題」、「環境問題」、「三農問題」を緊急に解決するにあたり、バイオマスを利用することが重要な意味を持っていると訴えた。

日本農林水産省大臣官房環境政策課資源循環室室長の新井毅氏はバイオマス・ニッポン総合戦略を紹介した。バイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれた総合的利用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利用が行われていることを提案し、「バイオマスタウン」の実例発表を行った。(独)産業技術総合研究所バイオマス研究センター長坂西欣也氏はアジアバイオマスネットワークを構築することを提案した。バイオマスは比較的に高い地域特性と技術多様性があるため、国家、資源量などを含むデータベースを作り、アジアバイオマスネットワークを構築するというものである。

今回のフォーラムを通して両国のバイオマス利用現況について明確な認識と理解ができ、同時に次の重点研究領域と最新の研究動向を明確にした。フォーラムの開催は時宜を得たものであり、中国の循環型経済の発展、バイオマスの開発と利用に対し、寄与できるものであった。

「日中バイオマスフォーラム」の会場 農林水産省大臣官房環境政策課課長 藤本潔氏(写真中右)と中国国家環境保護総局科学技術標準司副司長 羅毅氏(写真中左)との挨拶
総合司会の中国環境科学学会副事務局長劉志全氏(写真中左)と㈱KRI部長 巽孝夫(写真中中) 「日中バイオマスフォーラム」の関係者(右)